06.
「もしもの時は俺が餌になる。
お前は来た道を辿って一目散にケツ捲って逃げろよ」
お前、それは笑って言うことじゃないだろ。
「そんで遺跡を脱出したその瞬間、俺の事は一切忘れろ」
何て罪深い男だ。
「俺の死体は見ないどいてくれよ?」
そう思った自分の、何と罪深く不実なことか。
「何も語りたくないからな」
生きていてもその生き様を語らないお前は、死んでも死に様なんて語らないのだろうな。