「なぁ、は何で軍人になったんだ?」
「何処ぞの大佐殿にナンパされたから」
「は?」
「いやだから、ジェイドにナンパされて軍人になったの」
「あのなぁ…」
、ルークは真面目に聞いてるみたいだからさ」
「私だって真面目に答えてるわよ。
 ジェイドに一目惚れされて、口説かれて、それでマルクト軍に入ることにしたの。
 で、気付いてみればマルクト軍将校、階級大尉。
 死霊使いジェイドの右腕になってたってわけ」
「本当なのか、ジェイド?」
「ええ」
「マジで!?」
「ジェイドがナンパ…」
「彼女の戦闘能力はそれはもう珠玉の一句に尽きる代物でしたからね。
 華麗な蹴術、博芸な譜術…貴重な第七音素譜術士ということもありましたし、
 一目惚れにも思わず即その場で口説いてしまいました」
「ああ、それで『ナンパ』」
「なーんだ。そういうことかよ」
「そういうことです」
「何か残念そうね」
「だってなぁ?」
「確かにナンパするジェイドなんて見てみたい気もするな」
「なー」
「恐いもの見たさってヤツね」
「では御要望にお答えして、ルークかガイのどちらかで実演を…」
「「慎んで辞退させて頂きます」」
「おや」










『ところで物は相談なのですが、
『何?』
『このままこの先も、私と共に来なさい』
『どこら辺が相談してるのよ、それ』
『「はい」は?』
『はいはい』






「まぁ、『一目惚れ』というのもあながち間違いではないのですがね?」
「はいはい」
「つれないですねぇ」
「恋愛を運命に求めないタイプなの」
「ええ。だからこそ貴女は今こうして私と居るわけですしね」
「………」
「望み、自身の手で掴み積み上げた成果を、
 貴女は『運命』と切り捨てたりはしないでしょう?」
「……はぁ。選んだのは私だものね」
「ええ」
「選ばせるよう仕向けたのはジェイドだけど」
「ええ。お互いに」
「そうなのよね。
 『お互いに』なのよね」
「ええ。お互いに、です」
「………はぁ」
「それは誘っているんですか?」
「違うわよこのセクハラ大佐」

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運命に求めるな。


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