「カーティス大佐!
 どうして大尉は弟子にとって、私は弟子として下さらないのですか!?」





「いや、私弟子じゃないから」
「大佐ってば、弟子はとらない主義って言ってたもんね〜」
「ええ。教えるのは嫌いなので」
「だそうよ?」
「じゃあその両眼は何ですか!!」
「眼球」
「そうです立派な眼球………じゃなくって!」
「ちなみに利き目は右ね」
「あ、そうなんですか。
 奇遇ですね、私も右でして…ではなくてですね!!」
「…マルクト軍の人間って皆こうなのか?」
「この2人と陛下が特殊なだけだと思うぞ…」
「〜〜〜っ、貴女のその眼も譜眼でしょう!?」
「あら、も譜眼ですの?」
「まぁ譜眼よね」
「ええ、譜眼ですね」
「私は第一と第六、あと第七の3つしか刻んで貰ってないけど」
「ずるいです!」
「いや、ずるいって言われても」
「弟子でもないのなら、尚更どうして彼女には譜眼を施して、
 私にはその秘密の一端すらも明かしてくれないのですか!?」
「そんなもの愛の差に決まってるじゃないですか」
「きゃー♥ 愛だってぇ、ラッブラブぅ♥」
「愛ですわね」
「愛なのね…」
「どうかしらねぇ」
「それに『ペアルック』は男の浪漫ですからねぇ」
「!」
「ペ、ペアルックぅ!?」
「よもや旦那の口から『ペアルック』なんて単語を聞く日が来るとは…」
「譜眼をペアルックとしても良いものなのかしら…」
「ツッコミどころが違うと思うぞ、ティア…」
「えぇ〜、そんなペアルックはかなり微っ妙〜」
「まあ、素敵じゃありませんか。
 その身に2人同じ譜を刻む…消せない愛、ロマンチックですわ」
「そうかぁ?」
「………ちょっとジェイド」
「何です?」
「『何です?』ってアンタね」
「『お揃いにして?』と、そうねだったのは貴女でしょう?」
「この男は…っ」
「えー、なになに〜?
 2人でラブラブ内緒話ですかぁ」
「アニス。詮索しないのも淑女のたしなみの一つだと以前言ったはずですよ?」
「ぶーぶー」
「何かおいてけぼりくってるけど、あのカシムとか言う奴…」
「気の毒に…」

これぞ 
男の浪漫。


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