「ようお前ら、スパってるかー?」
「うおっ、陛下!?」
「ええー! 何で何でー!?
 何で陛下がこんな所に居るんですかぁ?」
「しかもブウサギさん達も一緒ですの!」
「権力と人望の使い所を明らかに間違えてるな…」
「(可愛い…♥)」
「おいおい、ここは俺の国だぞ。
 それにここを紹介したのも俺だろうが」
「そういえばそうでしたわね」
「お。俺が贈った水着ちゃんと着てくれてるんだな♥
 やっぱ蜂蜜色の金の髪には南国系の露出がグッとくるよなぁ。
 ……って、うん? 何だ、ティアは着てくれていないのか」
「も、申し訳御座いません陛下。
 折角の御厚意を無下にするような真似を…」
「謝る必要なんか無いわよ、ティア。
 陛下のそれは厚意じゃなくて下心だから、純度100%の」
「何だ、。お前も着てないじゃないか。
 心無い部下だな。上司を温情を無下にするとは…俺は悲しいぜ?」
「何どさくさに紛れて人のこと組み敷いてるんですか。
 頂いた水着ですけど、初回はありがたく着させて頂いたんですよ。
 でも速攻でジェイドにひん剥かれて取り上げられてしまったもので」
「何…? アイツめ、一体君主を何だと思ってるんだ」
「その言葉、陛下にそっくりお返ししますよ」
「あ、大佐〜」
「陛下には今少し"皇帝"という御自身の立場を弁えて頂きたいものですね。
 仮にもマルクト帝国皇帝ともあろう御方が、
 御自身の趣味しか盛り込んでいない下着まがいというか、
 むしろもはや下着でしかない水着を部下に与えるとはどういう了見です?」
「黒レース下着は男のロマンだ!」
「そういうのは御自分の恋人に贈って下さい」
「何だ、まるで人の女に贈り物をするなと言わんばかりの物言いだな」
「贈る品を選ぶべきだと申し上げているんです」
「俺が俺のに何を贈ろうと俺の勝手だろう」
「いつから貴方のものになったんです」
「俺のモノは俺のモノ、お前のモノも俺のモノ」
「………」
「となれば、だ。
 お前は俺の部下なんだから、その部下であるサユリも俺のものだろう?」
「その理論には承服致しかねますね」
「お、何だ。やるか?」
「はーい、お取り込み中大変恐縮ですが陛下」
「ん? 何だ♥」
「相変わらずすっげぇ変わり身…」
「女の子達が、というか主にティアがブウサギ達と遊びたくてウズウズしてるみたいなんで、
 この子達は私が連れて行きますよ」
「! わっ、わわ私はべ、別に…!」
「おお、そうか。頼んだぞ」
「ええ、じっくりダシをとってやりなさい」
「何か言ったかジェイド?」
「いいえー、何も?
 ブウサギ6匹分のダシともなれば何人前のチャーシューメンができるかなんて、
 そんな昼食の材料の分量など微塵も計算してはいませんよはっはっはっ」
「ほほぅ。つまりお前は俺の可愛いジェイドのそのふくよかな腹周りから旨味を搾り取って、
 あまつさえ俺の可愛いジェイドの愛くるしい短い四肢を細い紐で縛り上げて、
 調味料に浸して煮、天火で焼いて、しまいには俺の可愛いジェイドのその美肌をも、
 残酷にも薄切りにして中華蕎の上に乗せようってんだな? そうなんだな?」
「く…っ!」
「さあ皆、イイ歳こいてアホな死闘を繰り広げる中年2人は放置プレイの方向で行くわよー。
 あ、ガイ。そっちのサフィールとジェイド連れて来て」
「了解。
 ほらこっちだぞー、サフィール、ジェイド」
「あらあら、ネフリーは相変わらずお利口さんねぇ。
 …ん? っと、ごめんティア。そこのアスラン連れて来てくれる?」
「! え、ええ!(撫で撫でできる♥)」
「ミュウは何をすればいいですの?」
「そうねぇ…じゃあこの子、ルークを向こうに連れて行ってくれる?」
「はいですの!」
「ミュ、ミュウに連れて行かれ…(ショック)」
「ほら、ルークみたいに駄々捏ねるなよサフィール」
「…。(ジェイドの気持ちが少し判ったような気がする…)」
「何やら手慣れてますわね、とガイ」
「だね〜。私なんかどれがどの子かなんだ判別つかないよぅ」
「………苦労してるんだな、2人共」
「………だね」
「あの陛下と大佐ですものね…」
「(ぷにぷに…、幸せ…♥)」

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