「ふふ…っ、くっ、くく…っ」
「何が可笑しい!?」
「いや、だってねぇ?
 これが笑わずにおらいでかってなモンで」
「この…ッ」
「大体、君は何なんだ!
 刑事でも無いのにさっきから…」
「『犯罪のプロ』ってトコですかね」
「はァ?」
「しかし代議士のセンセやら弁護士のセンセやら…それなりに賢そうなのが揃ってるのに」
「オイ、聞いてるのか!?」


静まり返った場にくつくつと響き渡る、深緑色のブレザーの少女の笑い声。





「───犯罪に関してはてんで素人」





それは見る者の背筋に悪寒を奔らす、純然たる嘲笑の音。





「久々に見たわー、こんな見事なド素人の集まり」
「集まりって…ちゃん、それって一体どういう…」
「犯罪のはの字も齧ったことのない素人ちゃんがいきなり共同殺人なんて無謀なのよ」
「な…ッ」
「しかも揃いも揃って悪人面ー。
 ねぇ、この人達ホントに芹沢クンのトモダチ?」
さん」
「はーい。
 私の出番は幸いもう無さそうだし、
 早くたまきさんの美味しいご飯が食べたいんで大人しくしてまーす」
「お願いします」


では、貴方がたがどのように海老原さんを殺害したのかをお話しましょう。
刑事の明晰な口調が、途切れた断罪の時間を再開させた。


素人が 
無謀なんだよ。



ヒロインは自称通りの『犯罪のプロ』。
なんで推理はせず、「自分だったらこうする」という形の助言で右京を手伝ってます。
右京さん大好き。たまきさん大好きな女子高生。