「最後の最後まで、君に辛い思いをさせる僕が悪いのだけれど…。
 こんな別れになってしまったけれど、最後は笑ってくれませんか?
 最後に焼き付ける君の思い出が、笑顔になるように」


『だって貴方の嘘は、
 『死なないための薬』ではなく『生きるための毒』であると、私は知っているから』


そう言ってくれた彼女ならきっと微笑ってくれる。
彼女は優しいから。
その優しさにつけ込む僕をいつだって『困った人』と言って、
僕の隠した感情を読み取って尚ただ静かに微笑んでくれていた彼女だから。


「無理よ…」
「え…?」


だから、そう。
これは怠惰に委ねた僕の決心の甘さが招いた罰。





「───いくら貴方の願いでも、そんなの無理よ…」





それが彼女から受けた最初で最後の拒絶だった。


怠惰に委ねた 
決心の甘さ。



弁慶殿もいっぺん痛いめに遭うといい。(出たな親馬鹿めが)