『───…ッ、アハハ、ごめん…なさい。
フッ、ザギ、お前、いつの間にパパになったんだ?
言えば出産祝い、一桁弾むのに…ハッハハハハハ』
『秋! 笑い過ぎです。
もしもし? 冗談は止めて頂けませんか?
秋を笑い死にさせるのが目的なら別ですが…』
『そんな人だったなんて…ッ、座木さん不潔です!』
『さんまで秋に乗らないで下さい!』
『私は火遊びだったんですねっ、酷い…ッ、ううぅー』
『さん!!』
『アハハハハハハ! しな作んの上手ーい!』
「……何かもの凄く盛り上がってますけど、向こう」
「………。」
『いや、すみません。
あんまりにも見事過ぎる突飛な発想だったんで、
これはもうネタにしとかないといけないという使命感に、
うっかりなんて駆られてしまって、つい』
『貴女は最近秋に似てきましたね…』
『ハハハ、ケフッ、ゴホゴホ、は、腹痛い……おじさんの次はパパか。
高遠さん、サイコー』
『ホントー。論理の飛躍っていうか、ワープって言うか。
素晴らしいボケのセンスをお持ちらしい高遠刑事に惜しみない拍手を…、
くっ、くく、アハハハハ…ッ、アハ、も、もうダメ…、おなか痛い、腹筋攣るー!』
「……何かあの可愛い女子高生も転げ回って大笑いし出したみたいですよー…」
「………」
「高遠さーん」
『ど、どうしよう秋…! 私このままじゃ本気で笑い死にするかも…っ』
『奇遇だね、僕もだよアハ、アハハハ、ゲホ…ッ! 笑い死に確定だよこれハハハ』
『私が死んだら墓石には【、座木さん父親説にて笑い死ぬ】とか?』
『ギャハハハ! うっわ、それすっごいマヌケ! イイ! それ採用!』
『イヤ〜』
『秋! さん!』
「………」
「………」
『冗談じゃありません』、と。
いつにない青年の強い語気によって少年少女の笑い声は一旦打ち止めされた
論理の飛躍どころか
ワープだって、ソレ。
『黄色い目をした猫の幸せ』の例のシーン。
いつになく『!』マークの多い座木さんにトキメイたのはきっと私だけじゃないはず。
(そして高遠さんのキレっぷりに気付けばうっかり【愛】を押してたのだって、
決して私だけじゃないはず)
つか、マジで笑ろた。高遠さん、ついにキレちゃったよ…!みたいな。