「手を出さないで」


左肩を鮮血に染めた、あの日より切望し続けたその女は太刀の一振りで背後を制した。


「…あたしが迷ってるですって?
 冗談。迷う余地なんて無いじゃない」


この女を愛おしんでいたかどうかなど知らない。


「『お前を傷つけていいのは俺だけ』なんでしょうが」


この女を愛おしんでいるかどうかなど知らない。





「───だったらアンタを傷つけていい女は私だけ、そうでしょ知盛」





今はただこの女の全てが欲しい、ただそれだけ。


手折られるなら 
貴方がいい。



十六夜記・1回目クリア記念、『私は知盛が好きなんだー』再確認夢第1段。

image music:【 遭遇 】 _ 東京事変.