閑閉的激情
「藍染隊長が…お亡くなりになられました…!」
一瞬、副隊長が何を言ってるのか判らなかった。
「死因は斬魄刀による鎖結及び魄睡の摘出と心部破壊…事故死ではなく殺害です」
藍染隊長が、死んだ?
「…そうか…、惣右介君が…」
───藍染隊長が、死ん、だ。
「…君」
「大丈夫、です…」
「君は詰所に戻るんだ」
「本当、大丈夫ですから」
「君」
ああ、伊勢副隊長の不可解げな視線が煩わしい。
「大、丈夫…」
何が大丈夫なんだ?
何に対しての大丈夫なんだ?
俺の正気がか?
それとも藍染隊長が死ぬなんてことあるはずがないって?
「…だいじょ、ぶ…?」
これは夢か?
違う現実だ。
藍染隊長は、死んだ。
「これは隊長命令だ、君」
殺され、た。
「───大丈夫だっつってんだろッ!!?」
伊勢副隊長が、驚愕に目を見開いた。
「…っ、すいま、せん。
了解しました。一旦詰め所の方に戻ります…」
「ああ、頼むよ」
「御意」
ああ俺は今、一体どんな顔をしているのだろう。
「隊長、これはどういう…」
「ああ…七緒ちゃんは知らなかったね」
常からは鑑みれない程に心乱し、激情を露にした晴鳴に、動揺を隠せない七緒。
その問いに春水は実に静かに、穏やかに答えた。
「君はね、惣右介君と同じ流魂街の出身でね」
その脳裏を過るのは、同僚の穏やかな笑顔。
そして部下の少しばかり照れたような苦笑。
「───流魂街からの、彼の弟なんだよ」
これが、(自分的)隠し球としてとっておいた男主人公最大の設定。
このまま続き書いたら暗い連載チックになりそうなヨカーン。