03.
「」
背後から鼓膜を振るわせた声。
低く、穏やかで、良く通るその声。
聞き慣れた、けれど久しく遠退いていたそれ。
「あいぜん、さん…?」
「ああ、そうだよ」
「藍染さ、ん…生きて、らして…」
振り返れば、胸を刺す安堵と悔恨。
「───やはり、貴方がこの混乱の首謀だったんですね」
私を暖かい両の腕に収めて、その人は微笑む。
「君なら誰よりも先に気付いてくれていると思っていたよ」
穏やかに、残酷に。
あたたかい
だけの躰