「私を殴る? それとも犯す?」
脳の後脇からふつふつと湧いてくる淫らな歓声。
この女を殴れ。
この女を殴り倒せ。
この女を犯せ。
この女を犯して示せ。
この女を嬲れ。
この女を嬲って知らしめてやれ。
「それが何であれ、全て甘んじるつもりではあるけれど…」
自分から最愛の妹を奪った白い男達の罪を、この女に。
「───貴方を妹の元へ連れて行くための算段を仕込みに来たのよ」
深く、静謐なその声に、全ての雑音が引く潮の如くに消え失せた。
淫らな歓声
壊してしまえ、壊れてしまえ、壊されてしまえ。
title20 変わり種 No.12 ー 淫らな歓声