至高の甘酔


『その"魂の気配"…』


それは鮮烈だった。


『───お前、ノアの一族ね』


何者をも惹き付けてやまぬその美貌。
何者をも威圧し征服するその強い眼差し。
何者にも屈することのないその気高さ。

鼓膜を震わせた良く通るアルトに。
射ぬかれた視線の静謐さに。
その光を内に抱いた闇色の存在感に。
脳髄が甘く痺れたあの時の感覚を今も鮮明に覚えている。


「もう6人目だ…」


今し方吊るした男の、その赤くそまった黒い団服コート裾へと唇を寄せる。





「───…後どれだけ殺せば君に辿り着ける?」





甘い痺れが、ぬるく脳髄を奔った。



以前、拍手で『正反対のヒロインとティキの絡みとか面白いのでは?』という、
何とも美味しいネタを頂いたので書いてみました。
しかしこのネタの1番美味しいところは『ヒロインはコムイが好き』ってトコですね!(笑)
ネタ提供ありがとうございました!

image music:【introduction】_ Sugar Mama.