小さな未来が
見えたら


「しかしあの馬鹿師匠を上手く反面教師にして育ってくれたみたいで、感心感心」
さんっていくつの時、師匠に弟子入りしたんですか?」
「私? 11の時よ」
「あ、僕と同じぐらいだ」
「よもやあの馬鹿師匠に手放しにも感謝する日が来るとは思わなかったけれど…、
 こんな可愛い弟弟子を作ってくれたことにはやっぱり感謝しないとね?」
「───…」
「あら、私が姉弟子じゃ不服?」
「い、いえ!」
「『いえ』?」
「その…、僕もあの馬鹿師匠に手放しの感謝なんてする日が来るなんて、
 微塵にも思わなかったんですけど…さんが姉弟子で、
 何ていうか…本当にお姉さんができたみたいで、凄く嬉しいです」
「ありがとう、アレン君」


照れたように笑うその白い髪を撫でて思うのは、
同じく妹同然に過ごしてきた黒い髪の少女。


「これで本当に"義弟"って呼べる日が来ればねぇ…」
「?」
「ふふ、こっちの話よ」



やっぱりアレリナ愛。
リナリー、早く帰って来て…!