18.


『あ、そうそう。アレン君』
「はい?」
『もしもラビが浮気しそうになったら、
 私の代わりにゲンコツもイノセンスで殴っておいてちょうだい』
「う、浮気?」
『そう。ラビったら何かと惚れっぽいから』
「何ソレ。俺、吸血鬼も野郎なんざ守備範囲外っていうかむしろ攻撃範囲内さ」
『吸血鬼といったら美女が付き物だからね』
「───…」
『アレン君。早速で悪いけど出番よ』
「"心の浮気"ってヤツですね。任せて下さい」
「ちょ、待…っ!
 美女なんて聞いたらお前だって1mmぐらい妄想すんだろ!?」
「しません」
「リナリーの手前だからって…!
 しょーがねェじゃん、俺だって立派な男の子なんだからさ!」
『アレン君も男の子よね』
「アレンはそっちの意味では不健康な男子だから別さ!」
「な…っ、どういう意味ですかそれ!?」
『はい、教育的指導。
 存分にやっておしまいなさい、アレン君』
「了解。」
「ま、待てアレン!
 まだ間に合う。じっくり話し合おうぜ!」
「問答無用!!」
「ギャー!!」


『…大丈夫かな、あの二人』
『ふふ、大丈夫でしょ。ほら息もぴったり♥』
『息もぴったりって言うか…ラビがアレン君の攻撃を紙一重でかわしてるだけのような…』


まだ間にあう