ためらい
たとえば、お前が俺を知っていたら。
たとえば、お前が俺の傍らに居たら。
たとえば、お前が俺を好いていたのなら。
「俺は躊躇い無くお前を斬り捨てたろうに」
お前は俺を知らない。
お前は俺の傍らに無い。
だからこそ、お前は俺を好くことなどない。
「故に俺はお前を斬ることができぬのか…」
そうだ。
この刀を握る指先がそれを拒むのは。
『安心したわ。
将臣がこっちの世界に来て出会った人達が、とても良い人達だったみたいで』
あの柔らかな笑みを抱き寄せたいなどと願うからでは、決してない。
将臣が望美達といる時にこっそりと覗いてたら…と思って書いたともちん夢(笑)
自分とはまるで種類から違う人間であるヒロインに気付けば興味が恋に、みたいな。
いや、望美ちゃんにも無自覚に一目惚れみたいだったじゃないっスか、知盛。