17.


「絶望にはもう飽きたの」


彼女はその強い瞳で真っ直ぐに自分を見据えてそう言い切った。


「だから諦めることにしたわ」
「…何をです?」
「諦めることを」


揺るぎない意志を帯びたまま。
澄んだその双瞳を柔らかに細めて彼女は微笑う。





「絶望にはもう飽きたの。
 だから諦めることを諦めることにしたわ」





ああ、だからこそ僕は。





「私は貴方を信じてる」





僕は、君を。


絶望には
あきました