19.


「私を跪かせようというのなら、我が妻を超える存在を用意することだ」


時はフォルンオストの戦役。
かの誉れ高き金華公が魔王へと宣戦布告にも高らかに告げた言葉。


「───そのようなもの、在るはずもないが」





後でその経緯を伝え聞いたが。
『わ、私はフィンデルを眼前で跪かせたことなんてないわよ』と。
柄にも無く大っぴらに動揺してみせたのはまた別の話。


過去を双べて
晒そうか