11.
白い羽扇を口元に添えつつ、穏やかな口調でその人は言った。
「貴女には少数の手勢を率いて近隣の村を襲う賊の討伐をお願いしたい」
───試されてる。
「いかがでしょう、殿?」
───まぁ、当然か。
「…判りました。その任、慎んでお受け致します」
順応速いな、自分。
感覚も麻痺具合が大分進行しているのを痛感した。
連れた吊られた