この空の蒼さは

彼のもとまで続いているのだろうか

Dreaming as awakening.

「蒼也……」
風のない

雲ひとつない

耳が痛む程静かに

晴れ渡った



一面に広がる


「そう、や……」
掠れる声

溢れる涙

軋む心


その全てが非現実的で
その全てがどこまでもリアルで



泣き喚き出しそうな自分が居る
「っく……、そぅ…ゃ…」
泣いている自分が、いる
この蒼の中に

伸ばせばこの手は
彼のもとへと届くのだろうか
、お前は俺が守ってやるんだからな』
この蒼の中に

飛び込めばこの心は
彼のもとへといけるのだろうか
「……ねぇ」





蒼也は
「もしも、あたしが死んだら……」





蒼也なら
「あたしが死ぬその時には」





何て答えた?
「一緒に死んで、って言ったら……」





私と死んでくれた?
「ねぇ…答えてよ……」





一緒にこの世界から居なくなってくれた?
「ねぇ…」





蒼也
「何か、言って………」










私、なら
風のない

雲ひとつない

耳が痛む程静かに

晴れ渡った



一面に広がる


この空の蒼さは



彼のもとまで続いているのだろうか
蒼也は

もう

いない
それでも

この心は

今も
この空の蒼さは



彼のもとまで続いているのだろうか
蒼也のもとへ
タイトルの和訳は『醒めてみる夢』。
映画仕立てな感じで楽しんで貰えれば此れ幸い。

image music:【空の青さ】_ 新居昭乃.