真上から見下ろす お前の悲しみに塞がれてしまう
見下ろした其処には、涙に滲んだその顔。


「───全部、全部嘘だったんですか…ッ!?」


ああ、忘れてしまいたい。
この一握りの、僅か1年分のささやかな過去を。
お前が笑うそのひだまり色の思い出を。

誰か終わらせてくれ。
この一時のものでしかないはずの感情を。
この期に及んでまだ、あの少女を突き放すことを拒むこの不毛な思考を。


「でなければお前は一体何を信じていたというんじゃ?」


終わってしまえ。
絶えてしまえ。
色褪せてしまえ。
抜け落ちてしまえ。

この不様な想いもろとも消えて、失くなってしまえばいい。


「ど、して…?」
「騙したのかと?」


胸が詰まる。
中心が軋む。
お前のその涙に、悲しみに。
塞がるのだ、あらゆる感覚が。
塞がり、塞き止められて抉るのだ。
その鈍い痛みが、この内側を腐らせるのだ。


「お前さんが勝手にそういうものと思い込んでいただけじゃろう」


その痛みがあらゆる思考を端から蝕み、身動きが取れなくなるのだ。


「どちらかで何が変わるでもない。
 受容でも拒絶でも、好きな方を選ぶといい」





真下から見上げてくるお前の悲しみに、全てが塞がれ塗り潰されていく。



この曲、めっさ好きです。
というかこの曲、まんま九龍妖魔學園紀の皆守ソングだと思うんですが。

image music:【終列車】_ 椿屋四重奏.