時、既に
お前が。
お前が、悪い。

お前が悪いんじゃ。
お前が勝手にワシの中で特別な人間になっていった。

ゆるやかに、穏やかに。
ワシの中に入り込んできて。
あまつさえ勝手に居場所を作り上げて。
この思考を少なからず支配するようにすらなって。

気付けばそれは、もう取り返しもつかないほどに。





「───…私は今もカクさんのことが、好きです」





時、既に遅し。



抱えきれず、責任転嫁。


image music:【群青】_ 椿屋四重奏.