お前のすべてが 絡まって解けない
空虚な心を吹き抜ける乾いた風。
風穴を通り抜ける隙間風は侘びしい声を上げる。
鼓膜を介さず直に脳に伝わって染み渡るその音。
何て、不快な。
思っても耳を塞いだところで音は止まず。


…」


お前の抜け落ちたこの隙間だらけの心は。


「ワシ、は…───」


ぬけがらとなったこの心は空しく風音を立てるばかり。





『カクさん』





ああ、お前の手に掛かればこの風音は止まるだろうか。



風穴を塞ぐこの両手を失えば、いっそ諦めもつくだろうに。


image music:【ぬけがら】_ 椿屋四重奏.