♥ is OK.
「あらら、今日もまた連敗記録を更新したみたいね」
「だな。まったく…懲りないよなぁ、アレンの奴も」
今日も今日とて人気カフェのランチチケットを片手に見事玉砕したアレン君。
そんな健気な彼の、日陰の努力になど微塵も気付かない、
つい先程ケイオスと昼食を済ませてきたらしい天然のシオン。
そのシオンに「どうしたの?」やら、
「おなかでも痛いの? あ、もしかして悪い物でも食べたとか?」などと、
本気で心配されてしまいアレン君は、
ともすれば凹むに凹めず、また立ち直るにも立ち直れない状態に陥っていた。
「あんな微笑ましい光景が毎日拝めるなら、
クーカイ・ファウンデーションでなしにヴェクターに就職すれば良かったかしら?」
「…オイ」
当人にすれば苦悩そのものでしかないのだろうが、
見ている分には実に微笑ましい光景を遠目に眺めながらそんなことを言えば、
隣のJr.に、動機が不純と突っ込まれる。
まぁファウンデーションに就職したのもJr.目当てだったし?
なんて、告げたら隣の小さな代表理事は一体どんな顔をするのだろう。
「お前はココで良かったんだよ」
と、得意のポーカーフェイスで良からぬ妄想に耽っていれば、
不意打ちまがいにも、にやりという擬態音付きで言い寄越された意味深な台詞。
Jr.がこういう表情する時は大抵、直後に"快心の一撃"がくる。
実に男らしい、大胆且つ痛快な殺し文句が。
「───どうせこのまま俺んトコに永久就職すんだからな」
ほら、きた。
身構えていても受け身の一つも取らせない"一撃"が。
「…Jr.」
「何だよ」
「ちょっとむこう向いててくれない?」
「はぁ? 何でだよ?」
ああ、こんなことなら。
良からぬ妄想のためになんて浪費するんじゃなかった。
崖っぷちにも何とか踏み止まるために一気に大量消費して、
メーターもゼロすれすれとなった、なけなしのポーカーフェイスでそう言い捨てるが、
そんな私の窮状なんて気付いてもいないらしい、
(まぁ私のポーカーフェイスがそれだけ見事ということなのだろうけれど)
また変なところで鈍いJr.は、訝しげに眉根を寄せて、より一層見上げてなんかくる。
もう、限界。
「───…顔、見られたくないから」
両頬の熱が治まったら。
アレン君をからかって憂さ晴らしをしよう。
久々のJr.夢。
やっぱJr.好きだなーと思う今日この頃。
つか、タイトルがふざけててすません(笑)