【 エルザ・第一調整室 】
「調整中にしっつれーい」
「あ、さん。それにキルシュも!」
「どうした?」
「いや、ちょっとキルシュとファウンデーションへお買い物デートに行くんで、
 何か入り用な物はあるかと思って」
「そうか」
「モモは何か買って来て欲しい物はある?」
「ええと…、でしたら鍋掴み、お願いできますか?」
「シオンとの料理の練習に、ね?
 OK。うーくんプリントの可愛いヤツ買って来たげる。
 それよりどう、腕の方は? 大分上達した?」
「はい! 少しずつだけれど加減と要領が掴めてきました」
「そう。今度是非御馳走してね?」
「勿論! その時はキルシュも食べて下さいね?」
「はい…」


お互い照れたように笑んで約束を交わすモモとキルシュ。
ああホント可愛いなぁ、もう。
両腕に抱き込んで撫でくり回したい衝動をどうにかこうにか抑え込んで、
にやけかけた顔をそれなりに整えてからジギーへと向き直った。


「ジギーは?」
「特には無いな」
「もー、折角キルシュが初めてのおつかいに行くんだから。
 勿論重火器やら機体部品やら以外でだけど、何か無いの?」
「そうは言われてもな…」
「よし。ならジギーの買い物はうーくんプリントの大人用エプロンに大決定」
「…は?」
「わぁ…!
 そうしたらジギーもモモと一緒に料理できますね!」
「その通り。
 もう我ながら見事な妙案を捻り出しちゃったもんだわ。
 余りある自分の才能が恐い!
 ってなワケで買い出し行って来るから、楽しみにしててねー」
「お、オイ、ちょっと待て…ッ」
「いってらっしゃーい!」





背後では「俺にどうしろと言うんだ…」との脱力ぎみの声が聞こえた。



頑張れ、パパ。
そして最後はケイオスで。